社会で求められる「コミュニケーション能力」の定義とは?

面接で最も重要だと言われることも多いのが、「コミュニケーション能力」

皆さんは「コミュニケーション能力」という言葉を聞いて、具体的にどんな能力を想像しますか?

この「コミュニケーション能力」という言葉は、もっとも使い方に注意しなくてはならないフレーズの一つです。

特に、面接の場で「私の強みは高いコミュニケーション能力です」とアピールしたい方は注意が必要です。

なぜなら、 学生と社会人の考えるコミュニケーション力は異なるからです。

ではビジネスの場では具体的にどういった力を求めているのでしょうか?

今回は、社会や企業が必要とする「コミュニケーション能力」についてご説明します。


【学生と社会人の考えるコミュニケーション力の違い】

はじめに、学生が考える「コミュニケーション能力」の特徴からご説明します。

学生にとっての「コミュニケーション力」

特に接客アルバイトやチーム型の部活動、サークルなど、比較的多くの人と接する活動に取り組んできた方の中には、自分の「コミュ力」をアピールしたいという方も多いでしょう。

周りの友人を見ていても「コミュ力」が高い人が人気者ですし、友達の数も多くて、場を盛り上げるのが上手いという場合がよくあると思います。

実際に就職活動の場でコミュニケーション力をアピールする方の中で多いのが、こんなワードです。

「人と話すのが好き」「初対面でも人見知りせずに話せる」「誰とでもすぐに打ち解けられる」

もちろん、上記のイメージがまったく的外れということではありません。

しかし「ビジネスにおけるコミュニケーション力の高い人」に限定するのなら、必ずしも当てはまらないでしょう。

なぜなら、ビジネスで求められるコミュニケーションとは、必ずしも他人と仲良く話せることだけではないからです。



では、社会でいう「コミュニケーション力」ってどういう力なのでしょうか?

社会で求められる「コミュニケーション力」

ビジネスでのコミュニケーションの目的は、総合的に言えば”円滑に相手と意思疎通することによって仕事を成功させること”です。

そのため、相手の話の意図をしっかりと汲み取ったうえで、それに対して明確な回答ができる人が求められます。

社会で出会っていく相手と円滑に「意思疎通」を図るためには、次の4つの力を兼ね備えることが重要です。

① 相手の言うことを正しく理解する力

まず第一に求められるのが、相手の意見に耳を傾け、その言葉の意図や本心を正しく汲み取る力です。

人の心を汲み取ることに長けた人は、相手の「言葉」だけでなく、表情や口調などの「非言語」からも情報を読み取り、そして相手の立場を想定してコミュニケーションを行います。

つまり、相手の言葉の奥にはどんな気持ちがあるのか、あるいは自分が同じような状況だったらどう思うのかをしっかりとくみ取ることが大事です。

② 伝えたいことを分かりやすく表現する力

相手に分かりやすく伝える力も重要です。

例えば目的や結論から話すことや、5W1H(だれが・いつ・どこで・なにを・なぜ・どのように)を明確にして説明することが大切です。

またビジネスのシーンでは、対面での会話だけでなく、電話、メール、プレゼンなど、さまざまなコミュニケーションの取り方があります。

いかなるシーンでも「相手の意図を汲み取り、自分の意図を伝えられる人」がコミュニケーション能力のある人だと判断されます。

③ 相手に交渉し、説得・納得させられる力

ビジネスシーンでは、相手を説得したり納得させたりする説得・交渉力はとても重要です。営業、昇進、販売、プロジェクトリーダー、日々の業務でもさまざまな場面で交渉力や説得力は必要になります。

「この人の話には説得力がある」と相手に印象付けるためには、とにかくエピソードを入れてみましょう。自分が実際に経験したことや知っている知識など、事実に裏付けされた意見を述べられれば説得力が増し、相手の行動にも繋がりやすくなります。

また、ここでも大事な結論を最初に述べることで、相手に誤解される危険が防げます。

④ 場の空気や会話のすれ違いに気づき、解決する力

その場の雰囲気や空気を読むということもコミュニケーション能力のひとつです。

場の空気が読めないと、顧客に失礼なことを言ってしまったり、社内やチームの士気を下げるようなことを言ってしまう、といった問題を起こしかねないと思われてしまいます。

場の空気が読めることで会話中のすれ違いや誤解にも気づくことができ、解決することにより円滑に仕事が進み、信頼も得られやすくなります。

その他…

もっと具体的に述べるとすると、社会でのコミュニケーション能力にはこれだけの意味が含まれます。

 ● 物事をわかりやすく伝えることができる
 ● 「もっと聞きたい」と思わせる話ができる
 ● 相手に共感することができる
 ● 聞き上手で、相手がどんどん自分のことを話したくなってしまう
 ● 相手の気持ちを察することができる
 ● 相手のやる気を高めることができる
 ● 的確な質問ができる
 ● 話を要約することができる
 ● 相手を動かすことができる

面接で意識するべきこと

面接官と円滑に意思疎通をとれるようになるためには以下の方法があります。

① 結論から話す

② 話をよく聞いて、質問の意図を読み取る

③ 相手の目を見て会話する

④ 簡潔に、相手にわかりやすく話す

⑤ 空気感や間をその場で感じ、臨機応変に答え方を変える

上手なコミュニケーションは、「話す」「聞く」の力を兼ね備え、相手の気持ちや場の雰囲気もうまく読み取りながら会話をして初めて評価されます。

例えば面接の場で、例えば自分のことをひたすら「話す」ことに自信があったとしても、読み取り方を間違えたりしてしまうと上手なコミュニケーションとは評価されません。

反対のケースも同様です。

就活の自己PRでコミュニケーション力をアピールする場合は、「仕事」と結びつけることがポイントです。ただ「コミュニケーション能力」があることをアピールするのではなく、仕事の場面でどのようにいかすことができそうかを伝えるようにしましょう。

胸を張って自分のコミュニケーション力をアピールするためにも、これらの力は普段から意識し、身につけていくと良いでしょう。

まとめ

学生側が考えるコミュニケーション能力と、企業側が考えるコミュニケーション能力のギャップについて、きちんと理解をしておかないと誤ったアピールになってしまう恐れがあります。

コミュニケーション能力は、ソーシャルスキルの一つであり、企業の面接の場においても、「コミュニケーション能力を様々なシーンで発揮できるのかどうか」は非常に重要視されています。

コミュニケーション能力を向上させるポイントをおさえて、大事な面接を突破しましょう!